はじめに
400年以上の歴史を持つ有田焼は、白磁と呼ばれる白く滑らかな肌と、繊細な絵付けが特徴の磁器です。
国内外で高い評価を得ており、皇室御用達品としても使われています。
今回は、有田焼の魅力を、分業制と窯元という二つの視点からご紹介します。
分業制
有田焼の特徴の一つが、分業制です。
有田焼における分業制は、伝統を守りつつ、革新を取り入れるために重要な役割を果たしてきました。
分業制は、陶磁器作りをそれぞれの工程に特化した職人に分担させる生産方式です。
有田焼では、以下の工程が分業されています。
- 採石: 陶石を採掘する工程です。
- 製土: 採掘した陶石を粉砕し、水と混ぜて粘土状にする工程です。
- 成形: 粘土をろくろや型を使って形作る工程です。
- 素焼き: 成形した器を高温で焼いて固める工程です。
- 施釉: 素焼きした器に釉薬をかける工程です。
- 絵付け: 釉薬の上に絵を描く工程です。
- 上絵付け: 施釉後に絵を描く工程です。
- 金彩: 金を使って装飾する工程です。
- 本焼き: 施釉や絵付けをした器をさらに高温で焼いて完成させる工程です。
それぞれの工程に特化した職人が作業することで、高品質な有田焼を効率的に生産することができます。
また、分業制は、職人の技術の向上にもつながります。
それぞれの工程に専念することで、より高度な技術を習得することができます。
このように、分業制は有田焼の伝統と革新を支える重要な要素となっています。
伝統を受け継ぐ老舗窯元
有田町には、伝統的な様式を受け継ぐ老舗窯元がたくさんあります。
代表的な窯元としては、以下のようなところがあります。
- 柿右衛門窯・・・柿右衛門様式(赤絵で花や鳥などを描いた華やかな様式)で有名な窯元です。
- 鍋島窯・・・鍋島様式(染付で精緻な文様を描いた様式)で有名な窯元です。
- 金襴手窯・・・金襴手様式(赤絵で花や鳥などを描いた華やかな様式)で有名な窯元です。
- 華山窯・・・寛政8年(1796年)鍋島藩の御用窯として開窯し、住吉大社(大阪)北野天満宮(京都) 金毘羅宮(香川)へ 陶器製大灯籠を作成。開窯以来二百年余、伝統技術に、新しい技術と新しい感覚を加えています。
これらの窯元では、数百年の歴史を持つ伝統的な技法で作られる有田焼を見ることができます。
革新に挑戦する新進気鋭の窯元
近年では、伝統的な様式を受け継ぎながら、新しい表現に挑戦する新進気鋭の窯元も増えています。
斬新なデザインや、現代的な技法を取り入れた作品も多く生み出されています。
代表的な窯元としては、以下のようなところがあります。
- 肥前吉田焼・・・染付を中心に、古くから生活向けの食器類を焼いてきており、 主に染付磁器・色絵などを焼いているが、伝統的な青磁から現代的なデザイン、伝承や物語をあしらった意匠のものなど様々です。
- 皓洋窯・・・有田焼の伝統を受け継ぎ、新しいものに挑戦し続ける皓洋窯。
うつわやデザインによって使う筆や呉須を変え、職人がひとつひとつ手描きをしています。和食器でありながら西洋の雰囲気もあり、シンプルな中に抜け感のあるうつわなので、現代の食卓にぴったりです。
- 古千製陶所・・・古千窯は創業以来業務用の割烹食器の窯元です。
これらの窯元では、伝統的な技法を活かしながらも、現代の生活に合った新しい有田焼を見ることができます。
まとめ
有田焼の魅力は、伝統と革新が融合したところにあります。
分業制によって守られる伝統的な技法と、新しい表現に挑戦する新進気鋭の窯元によって、常に進化を続ける有田焼は、見る人を魅了し続けています。
クボタ産業では、華山窯のような老舗の窯元から、古千製陶所のような新進気鋭の窯元まで、たくさんの魅力的な商品を揃えております。
是非、手に取って、伝統と革新が融合した有田焼の魅力に触れてみてください!